目次
●すべり症とはどの様なものか
もともと椎間関節などに
弱みがあり、さらに椎間板と
椎間関節に変性が起こり、
椎骨が前にすべり出たもの。
<変性すべり症>
椎弓の関節突起間での
脊椎分離は認められず、
椎間板の変性や椎間関節の
変性に関連して起こる。
多くは中年以降の女性に
起こりやすく、
第4・5腰椎にみられる。
腰痛とともに坐骨神経痛が出て
足がしびれたり、足の親指に
力が入らなくなったり、
足の筋肉の低下を訴える
人が多い。
間欠跛行も起こる。
<分離すべり症>
腰椎の椎弓の関節突起間部の
骨が断裂した状態を
腰椎分離症といい、腰椎との
連結が椎間板だけとなり、
不安定な状態。
この分離症の上の腰椎が
前方にすべり出たものを
分離すべり症という。
腰痛や臀部痛、下肢の神経痛や
しびれなどが起こる。
○すべり症の原因・誘引原因
<変性すべり症>
もともと脊椎の安定に重要な
椎間関節に形態的な弱みの
ある人に発症しやすい。
さらに加齢的な変化で椎間板の
障害と変性が強くなり、
脊椎のタガが緩んだ
状態となり、ずれてしまう。
<分離すべり症>
多くは子どものころに
スポーツなどで繰り返し
負荷がかかったために、
疲労骨折を起こしたものと
考えられている。
しかし、
すべての人が分離症に
なるわけではなく
体質的な要素もある。
○現代西洋医学での改善法
・神経ブロック
・消炎鎮痛剤
・神経圧迫部分の切除手術
○改善につながる食事法・栄養法
●カルシウムが多く含まれる
食品をとる。
・ミルク
・ヨーグルト
・しらす干し
・豆腐
・小松菜
・ごま
・ひじき
●カルシウムの吸収を助ける
ビタミンD,Cをとる。
・さんま
・いわし
・さばなどの青魚
・きのこ類
●生姜紅茶や梅醤番茶を飲み
体をあたためる。
●とうがらし、にんにく、
生姜などを料理に使う。
●加工食品、食品添加物を
使った食べ物を控える。
○改善につながる健康法
・腰をくの時にして
横向きに寝る。
・高いところの物を取る場合は
踏み台を使う。
・目と机が30センチ離れて
いると良い姿勢を保て
やすい。
机の面が少し手前に傾斜して
いると疲れにくい。
・床に座るときは
なるべく正座を。
・立つ時の姿勢は顎をひき、
肩の力を抜く。背筋を伸ばし
尻の筋肉を緊張させるように
して立つ。
◎すべり症関連臓器
腎臓
●すべり症を背骨からアプローチするには
分離症と分離すべり症は同義で
捉えられることがありますが
厳密に言うと違うものです。
椎体と軟骨、ヘルニア、
椎間板が剥離した状態が
分離症です。
このような状態からさらに
可動してしまうような状態、
そのまま滑って、前にグッと
落ちてしまうのがすべり症に
なります。
◯すべり症と背骨の関係性
すべり症に関しては背骨の
S字カーブが崩れていることが
とても重要なポイントに
なります。
背骨のS字カーブの中でも
腰部の前弯と言って前に
傾いているカーブを描いて
いるところがあります。
これらの症状は前弯が
崩れている状態です。
極端に言えば、後ろ側に
前弯しているものが、
後ろ側に後弯している状態です。
この状態で腰を無理に
伸ばそうとすると腰同士の
背骨が引っかかっているために
骨の間に強く圧がかかります。
あるいは、4番、3番、2番の
骨があるとしたら、
間に挟まれている3番の骨が
ちょっと後ろに飛び出して
います。
この3番と下の4番とが
引っかかっている時に無理に
腰を曲げようとすると
グッと3番に一気に圧が
掛かってしまいます。
そして、この時にグッと
剥がれて押し出されて
しまうのです。
◯背骨からの改善法
症状の原因は骨と骨、
椎骨の一つずつの関節面が
綺麗なカーブをつくっていない
ということです。
そのため、施術としては
この逆をついて行く必要が
あります。
中でも一番疑って欲しいのは
腰仙関節です。
仙骨と腰椎の境の腰椎5番と
仙骨の境の部分の引っ掛かり、
これが取れるとほとんどの
場合は今のすべり症、分離症が
改善されます。
前に落ち込んでいるものが
出て来ますので、
そこを重点的に見て頂くと
よいと思います。